尿路結石について

投稿日:2012年8月14日|カテゴリ:お知らせ, 医療情報

日本人の約1割が一生のうちに患うといわれる「尿路結石」。汗をかき尿が濃くなる夏に増えるので、患者数の多い30代~50代の男性は注意が必要です。

尿路結石とは

尿は腎臓で作られ、尿管を通って膀胱にたまり、最後は尿道から体外に排出されます。
この尿路と呼ぶルートの途中で詰まるのが尿路結石です。原因は食生活の欧米化などが影響していると専門家はみています。

症状

下腹部や脇腹などに激しい痛みが現れ、吐き気や冷や汗を伴うケースが多くみられます。周囲の粘膜を傷付け、血尿が出ることもあります。
また、常に激痛がするとは限らず、鈍痛の場合もあります。これを放置すれば腎臓に尿がたまって腫れ、腎機能の低下を招くので要注意です。

治療法

治療法は結石の場所と大きさによって様々な方法があります。
<薬物療法>
(結石の大きさが5ミリメートル以下の場合)
尿路のまわりの筋肉を緩ませ、結石を排出する方法。
<衝撃波>
(結石の大きさが5~30ミリメートル程度の場合①)
体外から結石に焦点を合わせて衝撃波を当てて砕く「ESWL」という方法。
メスを使わず、麻酔・入院も不要。しかし場合により腎臓を傷付ける恐れもあります。
<内視鏡とレーザー>
(結石の大きさが5~30ミリメートル程度の場合②)
尿路に内視鏡を入れてレーザーで結石を砕く方法。
非常に細かい管を尿道から入れ、先端に取り付けたカメラで結石を観察しながらレーザーを当てます。衝撃波に比べ、結石を確実に砕けるメリットがあります。
手術にあたり麻酔や2~3泊程度の入院が必要になります。
<本格的な手術>
(結石の大きさが30~40ミリメートル以上の場合)
腎臓に穴を開け、結石を取り除く方法。

食生活見直し再発予防

尿路結石はいったん治療しても再発しやすいので、食生活の工夫も必要になります。
尿路結石にならないためにも、以下の事に気をつけていきましょう。

  • 就寝前など、1日に2リットル以上の水分をとる
  • 果物や野菜を多めに、肉類や炭水化物を控えめに
  • 1日3色の量をバランス良く。夜遅くたべない
  • ビールを含め、飲酒しすぎない

最近では20代男性や女性でも発症例が増えています。
偏ったメニューや夜遅く食べることなどが影響しているようです。
こうした食習慣は尿路結石だけでなく、糖尿病や高脂血症などにもつながります。
健康診断で中性脂肪や尿酸値が高かった人は、尿路結石のリスクにも直面していると考え、生活スタイルを見直すきっかけにしましょう。

 

(2012年8月10日(金)日本経済新聞夕刊記事参照)